第126回キンカ東京サロン

第126回キンカ東京サロン

【日時】2016年2月18日(木)18:00~19:00

【場所】住友化学参宮寮(小田急線参宮橋駅徒歩1分)

【話題】「新薬創製の現状 ~人々の健康に貢献するため、3万分の1を目指す壮大な挑戦~」

【話題提供者】 帝京大学薬学部 特任教授  夏刈英昭 先生

<内容>

『優れた医薬品の創出を通じて、人々の健康と医療の未来に貢献する』…このような崇高な理念をもって新薬の創製研究は行われています。創薬は、開発テーマの設定から、探索研究、非臨床試験、臨床試験(ヒトでの試験)という領域の異なる多部門の共同作業のもとで非常に長いプロセスを経て達成されます。現在、新薬の研究開発は、科学的に未成熟な分野へ挑戦しなければならないこと、研究開発費の高騰、臨床試験の長期化などから、大変困難な状況になっています。新薬の成功率は極めて低く、3万個の化合物を合成・生物評価して、ようやく一個の新薬が誕生するような状況です。しかし、製薬企業は、企業の命運をかけて、創薬という壮大な仕事に挑戦し続けています。本講演では、1)医薬品産業を取り巻く環境と新薬創製の現状、および 2)創薬の具体例として、この困難な創薬環境の中で、最近新薬の誕生が目覚ましい糖尿病治療薬を取り上げてご紹介します。